「企業YouTubeを始めたけど、全然伸びない」「もうやめようか迷っている」——そんな悩みを抱えていませんか?
実は、企業YouTubeチャンネルの撤退率は約62%にのぼるというデータがあります(出典:株式会社エビリー「企業のYouTubeチャンネル活用実態調査 2024」)。つまり、半数以上の企業が途中でYouTubeをやめているのです。
しかし、「伸びない=失敗」と決めつけるのは早計です。多くの場合、正しい改善を行えば状況は好転します。この記事では、企業YouTubeの撤退を決断する前に試すべき5つの改善策と、それでも撤退すべきケースの判断基準を詳しく解説します。
企業YouTubeの撤退率は約62%——なぜこんなに高いのか
企業がYouTubeチャンネルを開設しても、約6割が1〜2年以内に更新を停止しているという現実があります。この数字だけを見ると「やっぱりYouTubeは難しい」と感じるかもしれません。
しかし、撤退した企業の多くに共通しているのは、正しい運用方法を知らないまま始めてしまったということです。逆に言えば、正しいやり方に切り替えれば、まだ十分に巻き返せる可能性があります。
撤退を決める前に、まずは「なぜ伸びないのか」の原因を正確に把握することが重要です。
「伸びない」の原因は大抵この5つ
企業YouTubeが伸びない原因は、実はパターン化されています。自社のチャンネルがどれに当てはまるか、チェックしてみてください。
1. ターゲットが不明確
「誰に向けた動画なのか」が曖昧なまま運用しているケースは非常に多いです。
たとえば、BtoBの製造業なのに「とりあえずバズりそうなネタ」を投稿していたり、ターゲット層が20代なのに50代向けのトーンで話していたり。ターゲットが定まっていないと、YouTubeのアルゴリズムも「誰におすすめすればいいかわからない」状態になり、動画がリーチしにくくなります。
視聴者像が明確でなければ、どんなに動画のクオリティが高くても、必要な人に届きません。
2. 自社PR動画ばかりになっている
企業チャンネルにありがちなのが、「自社の商品紹介」「社長メッセージ」「会社紹介PV」といった、いわゆる自社PR動画ばかりになっているパターンです。
YouTubeの視聴者は、自分にとって役に立つ情報やエンターテインメントを求めています。企業側の「伝えたいこと」と、視聴者の「知りたいこと」にはギャップがあることがほとんどです。
このギャップに気づかないまま自社目線のコンテンツを投稿し続けると、再生回数はどんどん低迷していきます。企業YouTubeが伸びない理由について詳しくは、企業YouTubeが伸びない本当の理由でも解説しています。
3. 更新頻度が安定しない
「月に1本出したり、3ヶ月空いたり」という不規則な更新は、チャンネル成長の大きな妨げになります。
YouTubeのアルゴリズムは、定期的にコンテンツを投稿しているチャンネルを優遇する傾向があります。更新が止まると、既存の登録者にも動画が表示されにくくなり、チャンネル全体の評価が下がっていきます。
特に企業チャンネルの場合、「忙しい時期は更新が止まる」ということが起こりがちです。しかし、これはチャンネルにとって致命的なダメージになりえます。
4. データを分析していない
動画を投稿した後、YouTubeアナリティクスをきちんと確認していますか?
「再生回数が少ない」ということはわかっていても、なぜ少ないのかを分析していない企業は驚くほど多いです。視聴維持率が低いのか、クリック率が低いのか、そもそもインプレッション自体が少ないのか。原因によって対策はまったく異なります。
データを見ずに「なんとなく」で改善しようとしても、的外れな施策に時間とコストを費やすだけです。アナリティクスの基本的な見方については、YouTubeアナリティクスの見方・初心者ガイドを参考にしてください。
5. 担当者が兼務で疲弊している
これは企業YouTube失敗の隠れた最大原因と言っても過言ではありません。
多くの企業では、YouTube運用を「通常業務との兼務」で任せています。企画、撮影、編集、サムネイル作成、投稿設定、コメント返信——これらすべてを本業の合間にこなすのは、現実的にかなり厳しいです。
担当者が疲弊すると、動画のクオリティが下がり、更新頻度も落ち、結果的にチャンネルが伸びなくなる。そして「YouTubeは効果がない」という結論に至ってしまうのです。
しかし、これはYouTubeの問題ではなく、運用体制の問題です。
撤退前に試すべき5つの改善策
原因がわかったところで、具体的な改善策を見ていきましょう。これらを試す前に撤退を決めるのは、正直もったいないです。
改善策1:ペルソナを再設定する
まず最初にやるべきは、チャンネルのターゲット(ペルソナ)を明確に再定義することです。
ペルソナ設定で最低限決めるべき項目は以下の通りです。
- 年齢・性別・職業:誰に見てほしいのか
- 悩み・課題:その人はどんな問題を抱えているのか
- 検索キーワード:どんな言葉でYouTubeを検索するのか
- 競合チャンネル:その人が今見ているチャンネルは何か
たとえば、リフォーム会社なら「築20年の一戸建てに住む40代夫婦で、キッチンのリフォームを検討中。費用感がわからなくて不安」というレベルまで具体化します。
ペルソナが明確になれば、動画の企画・タイトル・サムネイルのすべてに一貫性が生まれ、YouTubeのアルゴリズムにも「このチャンネルは○○に関する専門チャンネルだ」と認識されやすくなります。
ペルソナ設定のポイントは、「自社が届けたい相手」ではなく「自社の情報を本当に必要としている相手」を基準にすることです。この視点の転換だけで、チャンネルの方向性が大きく変わることがあります。
改善策2:視聴者目線の企画に転換する
ペルソナが決まったら、次は企画の方向転換です。
自社PR型のコンテンツから、視聴者の悩みを解決するコンテンツへとシフトしましょう。具体的には、以下のような発想の転換が必要です。
| 自社目線の企画 | 視聴者目線の企画 |
|---|---|
| 新商品のPR動画 | 「○○で困っていませんか?解決方法3選」 |
| 社長の想いを語る | 「業界歴20年のプロが教える失敗しない選び方」 |
| 工場見学ツアー | 「普段見れない製造工程!品質へのこだわり」 |
| 会社の実績紹介 | 「お客様のビフォーアフター事例集」 |
ポイントは、動画のタイトルとサムネイルを見た瞬間に「自分に関係ある」と思ってもらえるかどうかです。
また、企画を考えるときは、YouTubeの検索窓にキーワードを入力して出てくるサジェスト(予測変換)を活用しましょう。そこに表示されるキーワードは、実際にユーザーが検索している言葉です。需要があるテーマを選ぶことで、検索経由の流入が期待できます。
さらに、競合チャンネルの人気動画を分析することも効果的です。再生回数が多い動画のテーマや構成を参考にしつつ、自社ならではの切り口を加えることで、差別化された企画が生まれます。
改善策3:更新ルールを策定する
「頑張って毎日投稿」は必要ありません。大切なのは、無理なく継続できる更新ペースを決め、それを守ることです。
企業チャンネルの場合、おすすめの更新頻度は以下の通りです。
- 理想:週2本(成長スピードが速い)
- 標準:週1本(多くの成功チャンネルがこのペース)
- 最低ライン:月2本(これ以下だとアルゴリズム上不利)
更新ルールを策定する際は、以下の点も決めておきましょう。
- 毎月の企画会議の日程(月初に翌月分の企画を決める等)
- 撮影日の固定(毎週○曜日は撮影日等)
- 編集・投稿のスケジュール(撮影から投稿まで何日かける等)
- 担当者の役割分担(企画は誰、撮影は誰、編集は誰等)
特に重要なのが撮影日の固定です。「空いた時間に撮ろう」では、いつまでも撮影できません。カレンダーに撮影日をブロックしておくことで、更新が途切れるリスクを大幅に減らせます。
また、1回の撮影で複数本分をまとめ撮りするのも効率的です。撮影の準備・片付けの手間を考えると、1日で3〜4本分を撮影し、編集を順次進めていく方がはるかに効率的です。
改善策4:アナリティクスを活用する
YouTubeアナリティクスは、チャンネル改善のための宝の山です。最低限チェックすべき指標とその見方を紹介します。
インプレッション数(表示回数)
動画のサムネイルがユーザーの画面に表示された回数です。この数値が低い場合、そもそも動画が露出していないということ。タイトルやタグの最適化、投稿タイミングの見直しが必要です。
クリック率(CTR)
サムネイルが表示された回数に対して、実際にクリックされた割合です。一般的に4〜6%が平均的な水準。これが低い場合は、サムネイルのデザインやタイトルの付け方に問題がある可能性が高いです。
視聴維持率
動画がどこまで見られているかを示す指標です。冒頭30秒で大きく離脱している場合は、動画の出だしに問題があります。視聴者が「この動画を見る価値がある」と冒頭で感じられるように、最初の15秒で結論や要点を提示する工夫が必要です。
トラフィックソース
視聴者がどこから動画にたどり着いたかを示すデータです。YouTube検索が多いのか、おすすめ動画から来ているのか、外部サイトからのリンクなのか。流入経路を把握することで、どこに力を入れるべきかが明確になります。
これらの指標を毎週チェックし、数値をスプレッドシートに記録していく習慣をつけましょう。数値の推移を追うことで、「何をしたら数字が改善したか」「何をしたら悪化したか」が見えてきます。
アナリティクスの詳しい活用方法については、YouTubeアナリティクスの見方・初心者ガイドで基本から解説しています。
改善策5:運用代行を活用する
5つ目の改善策は、YouTube運用のプロに外注することです。
「外注=コストがかかる」と思うかもしれませんが、兼務の社員が本業の時間を削ってYouTubeを運用するコスト(人件費+機会損失)を考えると、プロに任せた方がトータルでは安くなるケースも少なくありません。
運用代行に依頼できる業務は、一般的に以下の通りです。
- チャンネル戦略の策定
- 企画・構成の立案
- サムネイル・タイトルの最適化
- 動画編集(テロップ、BGM、効果音等)
- 投稿設定(タグ、説明文、カード等)
- アナリティクス分析とレポーティング
- 改善提案
運用代行の費用感については、YouTube運用代行の費用相場ガイドで詳しくまとめています。
重要なのは、「全部自社でやるか、全部やめるか」の二択ではないということ。撮影だけ自社で行い、それ以外のすべてをプロに任せるという選択肢もあります。
代行会社の選び方については、YouTube運用代行会社の選び方ガイドも参考にしてください。
それでも撤退すべきケースとは
ここまで改善策を紹介してきましたが、すべての企業がYouTubeを続けるべきだとは思いません。以下のケースに当てはまる場合は、撤退も合理的な判断です。
YouTubeと事業の関連性が薄い
自社のターゲット顧客がYouTubeをほとんど使わない層である場合、無理にYouTubeを続ける必要はありません。
たとえば、ターゲットが70代以上の高齢者で、彼らの情報収集手段がテレビや新聞中心であれば、YouTubeよりも他の媒体に予算を振り分けた方が効果的です。
ただし、「うちの業界はYouTubeに向いていない」という思い込みには注意してください。建設業、製造業、士業など、一見YouTubeと無縁に思える業界でも、成功しているチャンネルは数多くあります。
予算が完全にゼロ
改善策を実行するには、最低限の予算が必要です。編集ソフトのサブスクリプション費用、機材のメンテナンス費用、あるいは運用代行への外注費用など、一定のコストは避けられません。
「1円もかけられない」という状況であれば、中途半端に続けるよりも、一旦撤退して予算を確保できるタイミングで再開する方が賢明です。
経営層が完全にコミットしていない
YouTubeチャンネルの成長には、最低でも半年〜1年の時間がかかります。この期間中、経営層が「まだ成果が出ないのか」と短期的な結果を求め続けると、現場の担当者は疲弊し、チャンネルの方針もブレてしまいます。
経営層がYouTubeの特性を理解し、中長期的な視点でコミットする姿勢がなければ、いくら現場が頑張っても成果は出にくいです。もし経営判断として「YouTubeには投資しない」と決まったのであれば、その判断に従い、他のマーケティング施策にリソースを集中させましょう。
撤退は「失敗」ではない
YouTube撤退は、決して「失敗」ではありません。自社にとって最適なマーケティング手段を選ぶという、前向きな経営判断です。
ただし、「なんとなく伸びないからやめる」のと、「原因を分析し、改善策を試した上でやめる」のでは、意味がまったく異なります。前者は学びがありませんが、後者は次のマーケティング施策に活かせる貴重な経験になります。
「自社で全部やる」から「プロに任せる」へ
企業YouTubeが伸びない原因として最も多いのが、「自社だけで全部やろうとしている」ことです。
企画、撮影、編集、サムネイル作成、タイトル最適化、投稿設定、データ分析——これらすべてを兼務の社員が担うのは、正直に言って無理があります。一つひとつの作業にはプロのノウハウが必要で、それを本業の片手間でマスターするのは現実的ではありません。
だからこそ、**「撮影以外、全て丸投げ」**という選択肢があります。
株式会社IPのYouTube完全運用代行サービスでは、企画立案からサムネイル作成、動画編集、投稿設定、データ分析まで、撮影以外のすべてをワンストップで代行しています。
お客様にやっていただくのは、撮影だけ。それ以外の面倒な作業はすべてプロが担当するので、本業に集中しながらYouTubeチャンネルを成長させることができます。
「もうYouTubeをやめようか」と思っているなら、その前に一度プロに相談してみませんか?チャンネルの現状を分析した上で、改善の余地があるかどうかを正直にお伝えします。
もちろん、分析の結果「撤退が正解」という結論になる可能性もあります。しかし、その場合でも、プロの目線でチャンネルを診断してもらうこと自体に大きな価値があります。次にマーケティング施策を打つ際の判断材料になるからです。
まとめ
企業YouTubeの撤退率が約62%という数字は事実ですが、撤退した企業の多くは正しい改善を試す前にやめてしまっているのも事実です。
撤退を決断する前に、ぜひ以下の5つの改善策を試してみてください。
- ペルソナを再設定する — 誰に届けたいかを明確にする
- 視聴者目線の企画に転換する — 自社PRから「視聴者の悩み解決」へ
- 更新ルールを策定する — 無理なく続けられるペースを決めて守る
- アナリティクスを活用する — データに基づいた改善を行う
- 運用代行を活用する — プロの力を借りて効率的に運用する
特に5つ目の「運用代行の活用」は、他の4つの改善策をすべてカバーできる方法です。ペルソナ設定も、企画立案も、更新管理も、データ分析も、プロに任せることで一気に解決できます。
「YouTubeをやめる前に、もう一度だけ試してみたい」——そう思ったら、まずはお気軽にご相談ください。